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日付:2022.03.11 更新日:2022.04.19
疲労骨折
目次
疲労骨折/ひろうこっせつ
概要:疲労骨折とは
疲労骨折とは、1回の大きな外傷でおこる通常の骨折とは異なり、骨の同じ部位に繰り返し加わる小さな力によって、骨にひびがはいったり、ひびが進んで完全な骨折に至った状態をいいます。 丈夫な針金でも繰り返し折り曲げ続けると折損してしまうのと似ています。
とくに成長期(15・16歳前後)のアスリートに好発します。
運動を一時停止して安静にすることも大切ですが、なぜ?その痛みが起きたのか?徹底的に原因を究明し、対処することが最も重要です。
名前にだまされない
そのネーミングから、オーバーワーク(使いすぎ)による骨折と思われがちですが、実はそうではありません。
同じ部位に負担がかかることが原因です。
負担がかかる原因は、体のバランスの崩れによる、動きのエラーであったり、使用している道具に問題があったり、目指しているフォームに問題があったりと、原因は多岐にわたります。
学校の部活でよく見る疲労骨折の原因は、痛みがあることをコーチや監督に報告・連絡・相談が行えていないことに問題があるように思います。
疲労骨折の原因は書き切れないほど無数にあげられますが、よくある例を挙げてみます。
小指がシューズからはみ出している
疲労骨折の原因の一つにシューズのセット位置があります。
高速度で走るときの衝撃は、シューズの形を変形させることはあまり知られていません。
〈関連記事〉シューズのセット位置
ミッドソールの摩耗
多くのアスリートはシューズの交換時期の目安をアウトソールの削れやグリップの低下で判断しています。
アウトソールが明らかに異常が出る前に、衝撃を吸収する目的のミッドソールははるかに早く寿命を迎えます。
〈関連記事〉 ミッドソール
衝撃が逃がしきれていない。
歩行やランニング動作において、全身が正しく動いていない場合、生体力学に狂いが生じ、
地面からの衝撃を吸収しきれなくなります。
ランニング時に、地面とコンタクトする足首は、全身の悪い影響を受けやすく、
壊れやすい箇所と言えるでしょう。
●ズボンの裾(すそ)に注目して下さい
左の足首がプロネーションを起こしている子供の歩行です。
床に足を着いたとき、左のズボンの裾が揺れるのが解るでしょうか?
ゆっくり歩いたときに、踵にかかる衝撃は体重の約 1.2 倍と言われています。
ランニング時で 1.5 倍、ジャンプで約 5 倍と言われています。
体重50kgの人で、片足にかかる負担は 72kg~250kgにも達します。
〈関連記事〉疲労骨折の本当の原因
〈参考記事〉シンスプリントの本当の原因
フォームの崩れ
シューズや体に異常がなくてもフォームが悪ければ疲労骨折は起こりえます。
●フライの高さや膝が伸びきった接地
〈関連記事〉 フライ(リカバリー)
●ディスエンゲージメントで荷重が残っている
想的なディスエンゲージメント
ディスエンゲージメント(足が地面を離れる瞬間)で、足で地面を押している
〈関連記事〉ディスエンゲージメント
原因
どんな痛み?(症状)
・初期:運動時に痛みがあり安静時に軽快します
運動を継続する→運動時に痛むタイミングが次第に早くなります
↓安静時にも疼痛が出現する・運動制限がかかります
↓体重がかかっていなくても痛みが続きます
好発部位
★競技による骨折多発部位は以下の通りです
・中足骨(35%):素早い動きを要求される競技(ランニング・サッカー・バスケットボール・ラグビーなど)
つま先立ち・ジャンプ動作の多い競技(バレエダンサー・新体操選手など)
・脛骨(27%):ジャンプ競技(バレーボール・バスケットボールなど)
ランニングの多い競技(陸上長距離・サッカー・野球など)
・腓骨(9%):陸上長距離・ダンサーなど
・大腿骨(3%):ジャンプ動作・着地動作が多い競技(陸上競技・サッカー・フィギュアスケート・新体操など)
・足関節内果(3%):サッカーなど
検査診断
・明らかな外傷が無く慢性的な痛みや腫れがあるとき→疲労骨折を疑います
・X線検査(レントゲン)を撮影し確定します
骨折の有無を確認する・・・初期では骨折の所見が認められないことが多いです
判断が難しい場合→3〜4週間後に再度X線を撮ります
MRI検査・骨シンチグラフィー・超音波検査などの精密検査を行います
治療
・局所を安静にする・負担をかけない→ほとんどが治ります ★普通の骨折と異なりギプス固定が必要ないのが特徴です
疲労骨折の発見が遅れた場合→難治性骨折・偽関節となる場合がある・・・手術が必要な場合があります
・再発予防:疲労骨折が発生した要因を検討し対策を行うことも重要です
例・・・オーバートレーニングを起こさないメニューを組む
トレーニング環境の改善→コンクリートよりグラウンドで練習を行う
リハビリテーション
・完全に回復するまで体重のかからない運動を行い、体力の維持を図ります
例:水中歩行・水泳などによる有酸素運動
・骨折患部以外→積極的にトレーニングを行います
例:患部以外の筋力や筋協調性を高めるトレーニング・筋の柔軟性向上
・完全復帰に向けて・・・競技動作の改善などを行い再発予防を図ります
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