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日付：2025.03.15 更新日：2025.03.24

自賠責保険で補償される内容とは？

交通事故に遭った際、被害者の救済を目的として「自賠責保険（自動車損害賠償責任保険）」が適用されることが多くあります。自賠責保険は、すべての車両に加入が義務付けられている強制保険であり、事故によるケガや死亡に対して最低限の補償を提供するものです。本記事では、自賠責保険で補償される内容について詳しく解説します。

1. 自賠責保険の補償対象

自賠責保険は、交通事故によって**「人身事故の被害を受けた人」**に対する補償を目的としています。そのため、物損（車の修理費やガードレールの修理費など）には適用されません。

補償の対象となるのは、以下のようなケースです。

✅ 交通事故によるケガ（治療費・通院費）
✅ 後遺障害が残った場合の補償
✅ 死亡事故に対する補償
✅ 休業補償（仕事を休んだ場合の損害補填）

それぞれの補償内容について、詳しく見ていきましょう。

2. 自賠責保険で補償される具体的な内容

(1) 傷害による補償

交通事故によってケガをした場合、自賠責保険から最大120万円までの補償を受けることができます。この補償額には以下の費用が含まれます。

🔹 治療費：診察費、手術費、薬代、入院費など
🔹 通院費：病院や整骨院・鍼灸院への交通費（公共交通機関・タクシー・自家用車のガソリン代）
🔹 文書料：診断書や証明書の発行費用
🔹 休業損害：仕事を休んだ場合の損害（1日あたり最大6,100円 ※一定条件で上限19,000円）
🔹 慰謝料：1日あたり4,300円（通院日数に応じて支給）

💡 ポイント

自賠責保険は実費補償が基本。保険会社に治療費を直接請求できるため、自己負担なしで治療が受けられるケースが多い。
通院日数が少ないと慰謝料が減額されるため、定期的な通院が重要。

(2) 後遺障害による補償

事故の影響で後遺症が残った場合、認定された等級に応じて補償額が決まります。

🔹 後遺障害等級 1級：最大4,000万円
🔹 後遺障害等級 14級：最大75万円

💡 ポイント

後遺障害の認定には医師の診断書が必要
等級によって補償額が大きく変わるため、適切な手続きを踏むことが重要

(3) 死亡事故による補償

交通事故で被害者が死亡した場合、遺族に対して最大3,000万円の補償が支払われます。

🔹 葬儀費用：最大60万円
🔹 遺族への慰謝料：被害者の家族構成に応じて
🔹 逸失利益：被害者が生きていれば得られたであろう収入に対する補償

💡 ポイント

遺族の人数により慰謝料の金額が変わる（例えば、被害者に扶養家族がいた場合は加算される）
逸失利益は、被害者の年齢や職業によって金額が異なる

3. 自賠責保険を利用する際の注意点

✅ 物損事故には適用されない（車の修理代は自己負担 or 任意保険でカバー）
✅ 120万円を超える治療費は加害者の任意保険から支払われる
✅ 治療期間が長引くと保険会社から治療費の打ち切りを求められることがある
✅ 過失割合が大きい場合、補償額が減額される可能性がある

特に、120万円の上限を超えるケースでは、任意保険や損害賠償請求の対応が必要になります。交通事故後は、早めに専門家（弁護士や交通事故対応の専門家）に相談することをおすすめします。