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日付:2016.11.03 更新日:2022.04.19
中学生・男子・陸上部・踵(かかと)の痛み~踵骨骨端炎 シーバー病の治療例│若葉治療院 富士宮本院
目次
;主訴: 中学一年生。陸上(長距離) 右の踵(かかと)をつくと痛い。
大阪から御来院いただきました。
エコーの診察を勧めたが、後程 外科に行ったところ、
「骨端炎でしょう」との診断で、特にエコーの検査は行われなかった。
骨端炎でも、骨端症でも、名前はどちらでもいいのだけれど、
要するに、病名とは消去法であり、骨に異常があれば骨折系の名称がつくし、
レントゲン画像に異常がなければ、症とか、炎・・・そんな呼び方がつく。
骨の上のアキレス腱の付着部を触った感じは、主観ですが、
同じ年代の子の踵よりも、多めにグラグラする感じ。特に熱感は感じない。
男の子なら小学校高学年から、中学二年生くらいまでの間で、
マラソン大会の練習時期や、中体連前の走る機会が多くなるころ、同じ症状の来院が
増える。そんな時、レントゲンを撮ると、踵の骨の後ろに“何か”(骨端核)写る時がある。
個人差はあるものの、それは、6~7歳で出現し、16~18歳くらいで
踵の骨と癒合し、柔らかい男の子の足から、硬い男の足に変化を遂げる。
特に、後遺症が残るものでもないし、無症状の場合が多い。
原因としては、アキレス腱の牽引とか、衝撃とか、
単なる成長過程のモノと言われているが・・・定かではない。
ただ、小さくてもランナーにとっては、
「男が試されてるとき」・・・であることに変わりはない。
通常は、痛みどめ(時にはステロイド注射)と安静で自然回復を期待する、
クッション材などで衝撃を緩和するなどの処置が施されるが、
僕は、それとも違うと思っている。結論から書くと、
着底ポイントの変換を試みる。
<関連記事>着底タイミングの変換(疲労骨折の治療)
素足で歩くと、片足だけの着底が踵の突起部から着いている音がする。
スローなカメラで歩行を撮って動きを確認してみる。
痛みのある右足だけが、踵の突起から落ちている。
通常の着底はここから着くが、この尖ったところから着いている。
簡単に言えば、ミートハンマーで、生きたカルビを叩くような現象が起きている。
なぜこのような現象が起きるか?
異常な動きの一つ一つで完成される。
治したい所が多すぎて、どこから治すか?悩むのだけど、
ミートハンマー現象から治すことにした。
これを治さない限り、痛み(炎症)が収まっても、再び痛みを繰り返す。
もしも自分で治す方法を言うならば、選手がやる事は意外と多い。
ドリルをしっかりやること。
ストレッチはアキレス腱付近だけでなく、全身すべて行うこと。
フォームの確認、用具の点検・整備、上半身の補強、
コーチ、監督、お父さん、お母さん、周りへの感謝を忘れないこと。
そして、絶対に諦めないこと。
医療機関のやることは、選手と一緒に最大限で悩むこと。
本気でやりましょうよ。
捻挫などで痛みがある場合、有痛側の歩幅が狭くなることが多いが
有痛の右足の歩幅が長い。
右足の流れが悪く、ブレーキになっている。
ランニングでこれが起こると、走行抵抗になる。
そして、足首や膝の故障の原因ともなる事が多い。
有痛側の右足のストロークが伸びる原因は腰の回転不足や、
股関節の動きによるものが多いが、今回の場合、左の足首関節の可動域が気になる。
右に比べ、左足の可動域が少ない。
動いている時の可動域と、静止した状態で見る可動域は違う。
止まっている時には曲げることができても、歩いたり、走ったりする時に動いていないこともある。これは、全身の運動連鎖によるもので、体 全体の協調運動が上手く行えていない為に起こるものである。
このように、動的な動きの中にある痛みは、
X線や、エコー診断のような静止画像に写らない事が多い。
中体連や、インターハイは、個人の都合に合わせてはくれない。
X線に写ってからでは・・・遅い。
動的検査は理学療法士さんの領分ですが、大人の都合に付き合わされる子供に、
誰か本気で付き合う大人が必要だと思う。
マラソンで、顎が上がるのは、背中の筋肉が硬直するにつれ上がってくる。
練習の始めから顎が上がっているのは、フォームの問題ではない。
故障の前触れだと僕は思う。
10秒かからず、こうなった。もったいない。
片足立ちの前後の加重配分はこんな感じ。
それほど悪くはないが、一応、こう治しておく。
治療後の歩行はこうなりました。
局所の痛みも伴い正常歩行の判別は難しいが、
着底のポイントは突起を避けている。
治療を終えてから、真夜中まで、何度もデータを確認する。
もっと、こうすれば良かったとか、ここも治す必要があるとか・・・
次から次に湧いてくる。
まだまだ、私たちは 学ぶ事が必要です。
遠方からの御来院ありがとうございました。
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