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日付:2017.07.20 更新日:2022.04.19
踵の痛み:ランニングシューズとジョギングシューズの違い│若葉治療院 富士宮 本院
目次
ランニングシューズでジョギングをするリスクについて、ちょっと書きたいと思います。
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主訴: 踵(かかと)の痛み 35歳 男性 フルマラソン 2時間39分
足の裏や、踵、アキレス腱など、レントゲンには写らない痛みがある時でも、
おおよそ所見はあるものです。 しかし、今回は・・・それが見当たりませんでした。
レントゲンに異常がない、体に異常がない = 大丈夫ではなく、
踵が痛くて走れない事に変わりはありません。
この痛みを治すために・・・原因を探します。
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使用シューズは アシックス ジール4 レースもジョギングもこれ一足。
月間走行距離 400~500km このシューズを買ってから一年と四か月くらい。
踵が正しくない場所で着底しています。ミッドソールに小石(砂)が食い込んでいます。
底突きしている証拠です。
着底ポイントのシューズの厚みは 3mm程度と思われます。
どうしてこんな事が起きるのでしょうか?
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インソールを見ます。
カカト側に隙間があるのが気になりますが、綺麗に 板に乗れてます。
土踏まずの所に圧が掛かっているのは、アーチの低下ではなく、
ジール4にある、シューズの内部形状によるものです。 足圧の異常はありません。
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アウトソールの削れ方もいいですね。 足首も柔らかく、向かってくるロードを
後に上手に裁いています。 ヒールもブレーキ跡がなく良好です。
ただ、この摩耗は異常ですね。ミッドソールを完全に踏み抜いています。
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通常のジール4の 踵部分は こうです。
今回の患者さん、 一日 20㎞のジョグを このシューズで行っていました。
今回の踵の痛み、シューズの摩耗が原因だと思います。
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ランニングシューズでジョギングしている人をよく見かけますが、
けっこう・・・リスクがある事が・・・あまり知られていないようです。
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● ランニングシューズと、ジョギングシューズの違い
レースシューズ、ランニングシューズと ジョギングシューズの違いは
特に定義づけされていませんが、 簡単に言えば、
・レースシューズはレースに適したシューズ、
・ランニングシューズは、ランニングに適したシューズ、
・ジョギングシューズは、ジョギングに適したシューズです。
細かい事を言えば、
クッション性、安定性、反発性、耐久性、グリップ力、もっと細かい事を言えば、
歩幅、着底角度、ドロップ角度・・・と、いろいろあります。
ランニングシューズでジョギングをしてはイケない事もないですが、
ランニングシューズの寿命は、走行距離で 2,000 km程度じゃないかと
僕は思っています。 (月間 400km走る人で 5か月くらい)
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アウトソールの削れがなくても、カップが開いたら アウトです。
レースシューズや、ランニングシューズは、その重さを軽くする為、
ジョグシューズに比べ、カップの作りは薄い素材で作られています。
また、ジョギングシューズよりも 幅を狭く作ってあるので 開き易いことも覚えておきましょう。
とくに、近年、シューズは飛躍的に軽くなりました。
参考記事街の治療院 なめんなよ。
軽さを求めれば、何かを失う。
堅牢性に欠くシューズが増えてきましたね。
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ランニングシューズは、ジョギングシューズと比べ、細く作ってあります。
よく、「私の足は幅広だから、小指がはみ出す」とか耳にしますが、
はっきり言って、インソールの幅は、
風呂上りに床に着く足跡の幅があれば足りるのですから、
ランニングシューズは、サンダルのような幅で作ってありません。
セット位置がシビアなんですね。
特に近年、細く作ったシューズが増えてきました。
左はジール4 のインソール、 右はJapan。 ヒールの幅が随分狭くなりました。
これは、コレで、良い事ですが・・・ 適当に履くと、大きな故障に繋がります。
参考記事 :子供たちの靴の中では、こんな事が起きています。
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年々、シューズの軽量化は目覚ましく、軽くなっています。
アッパーに使われる素材は随分変わりました。
10年前のライトレーサーのヒールカップ。 (作りは今より良いように思います)
シューズも細くなって、素材も薄くなってくると
カップの開く頻度も早くなり、シューズの交換サイクルも早くなります。
カップが開くとどうなるでしょうか??
ホールド性が悪くなると、よく言われますが、
それよりも、ヒールの形状が前方に押し出され、
サイズダウンしたような現象が起こる事が問題だと・・・僕は思います。
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カップの開いた状態で、シューズの全長を計測します。
カップの開いたシューズの全長は 267mmでした。
実際 体の アキレス腱部の形状は このように細くなっています。
カップを閉じた状態で、シューズの全長を計測してみます。
271mmになりました。
開いた状態と、閉じた状態で その差は 4mm ありました。
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ジョギングシューズのヒールの形状はこうなっています。
馬蹄形のパーツで踵の骨の周りを持ち上げ、
踵の骨の突起が地面に当たることを防いでいます。
この機構は、ターサーJAPANまでは採用されていましたが、ジールでは消えました。
また、アディゼロ【練】 あたりのヒールの形状も フラットになってきましたね。
ランニングシューズは 、ヒール部分の溝が消えていく流れに向かっているようです。
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それは、ミッドソール(白い部分)に採用している素材が、従来のものより随分柔らかくなり、
衝撃を和らげるようになったから・・・そんな考えからでしょうか?
随分 軽量化とコストダウンに貢献しているように思います。
新素材の開発が進み、柔軟性、反発性は飛躍てきに向上したそうですが、
耐久性が向上したとの話しは・・・聞いたことがありません。
私見ですが、耐久性は、従来の素材より低下しているように思います。
素材が変われば、シューズの交換サイクルも変わることを
頭の隅においておく方が良いでしょう。
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ランニングシューズを半分に割ると、およそこんな構造をしています。
ターサーjapanを 割ってみました。
正しい位置で履いていれば、踵の骨の周りを馬蹄形のソールが支えることにより、
踵の骨に衝撃が入らない構造になっていますが、
ちょっと前に踏み込めば、靴底は思ったより薄い構造になっています。
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ジール4のミッドソールに採用された素材は、
反発力と衝撃吸収性が向上している・・・とは言われていますが、
摩耗しないとは・・・誰も言っていません。
衝撃吸収性の良い素材も、ヘタってしまえば、ただの薄いソールになってしまいます。
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ジョギングシューズでは、厚いインソールを採用したり、
靴底にも柔らかい素材を採用したりしています。
( ↑ GT2000 ) ↑ジール4
ランニングシューズとのクッション性は、随分と違います。
アウトソールが それなりに削れこんでも、それなりのクッション性は残っていますが、
ランニングシューズは、ミッドソールがヘタってしまえば、クッション性は残りません。
薄いインソールの下に、硬い船底が残るだけです。
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走行距離 200kmのジール4のヒールと、 6,000kmのジール4のヒールの形状の違い。
けっこうヘタると言うべきか?・・・ けっこうヘタらないと言うべきか?
判断に迷うところですが、ずいぶん表情は違ってきます。
インソールの下に、内側への倒れ込みを防ぐプロネーション防止機構を付けても、
その下のミッドソールがヘタってしまえば内側への倒れ込みは起こります。
自分がまだ見た事もないタイムを見ようとする前に・・・
自分の足元から見なおす事が重要です。
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綺麗な接骨院、治療院、20代のゴッドハンドの先生が増える一方で、
足茂げに、現場に足を運ぶ先生が減りました。
現場に足を運ぶと・・・見えてくるものがたくさんあります。
けっこう みなさん・・・・ めちゃめちゃなシューズで走ってますよ(笑)
●若葉治療院 富士宮本院 :静岡県 富士宮市 西小泉町 21-2 : TEL 0544-26-6628
●プラスボディー 若葉治療院 :静岡県 富士市 青葉町377 : TEL 0545‐64-7088
●若葉治療院 清水院 :静岡県 清水区 辻4丁目 : TEL 054‐366‐2227
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